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田中 忠夫; 坂本 義昭; 村岡 進
JAERI-Conf 99-004, p.662 - 673, 1999/03
フミン酸を0~130mg/dm共存させた条件下において、Np,Pu及びAmの海岸砂及びクロボク土へのバッチ法による吸着実験を行い、これら核種の分配係数に及ぼすフミン酸の影響について調べるとともに、フミン酸共存下におけるNp,Pu及びAmの分配係数を評価するための吸着平衡モデルを提案した。フミン酸を吸着しない砂に対する3種類の分配係数は、液相中でのフミン酸錯体形成のみを考慮した吸着平衡モデルで説明できた。一方、フミン酸を良く吸着するクロボク土に対する3核種の分配係数は、液相中でのフミン酸錯体形成のほか、フミン酸及びフミン酸錯体の吸着による分配係数への影響を考慮した吸着平衡モデルを適用することにより評価できることを示した。
鎮守 浩史*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 田中 忠夫; 小川 弘道
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.556, p.743 - 750, 1999/00
アクチニドを保持した地下水コロイドの移行は固相への付着に基づくフィルトレーション効果によって遅延を受けることが予想される。本研究では、負に帯電しているガラスビーズとラテックス粒子を用いたカラム実験及びバッチ実験を実施し、コロイドのフィルトレーション効果をコロイドの固相への付着挙動という観点から検討した。カラム実験において、ラテックス粒子の遅延は粒径またはイオン強度が大きいほど、付着の程度が大きくなることを明らかにした。また、ラテックス粒子の遅延の程度を示す分配係数は、バッチ実験より得られた値よりカラム実験結果から算出した値の方が大きいことを見いだした。これらの結果を解釈するため、付着界面でのコロイドに働く物理・化学的相互作用、流れの場の効果、付着粒子の脱離挙動などに関して考察した。
田中 忠夫; 村岡 進
JAERI-Research 98-017, 20 Pages, 1998/03
堆積物試料(海岸砂、凝灰質砂、黒ボク土、黄色土、土色土、砂岩、凝灰岩)を対象として、Np(V),Pu(IV)及びAm(III)のバッチ法による吸着実験を実施し、液相中に存在するコロイド状化学種のサイズ分布及び分配係数を測定した。Npの場合、全ての堆積物試料と平衡にある液相中にコロイド状化学種は存在せず、分配係数に地層によるフィルトレーションの効果を考慮する必要はないことが分かった。一方、Amは液相中で0.45mより大きな粒子として存在し、地層間隙にトラップされ固相成分とみなすことができた。Puの場合、試料によって2nmから0.45m以上の様々な大きさのコロイド状化学種の存在が認められた。この結果は、信頼性の高いPuの分配係数を選定するためには、堆積物層間隙を移行可能なコロイドの大きさを把握することが不可欠であることを指摘するものである。
田中 忠夫; 村岡 進
Radioisotopes, 45(12), p.753 - 760, 1996/12
土壌に吸着した放射性核種の脱離挙動に及ぼす土壌のpH緩衝作用の影響を明らかにするため、Coを予め吸着させた海岸砂と、pHを4、7あるいは10に調節した水溶液とを接触させるバッチ法脱離実験を実施した。水溶液のpHが高くなる方向に変動するに従って、Coの脱離率は低下するが、非陽イオン性Co化学種の存在割合は増加することが確認された。水溶液のpHとCoの脱離率との関係は、砂表面の負電荷密度のpH依存性から理解できた。水溶液中に存在する非陽イオン性Co化学種は、砂の緩衝pHでのCoの加水分解により形成されるコロイド状の{Co(OH)}であることを示した。
田中 忠夫; 大貫 敏彦
Geochemical Journal, 28(5), p.369 - 376, 1994/00
被引用回数:5 パーセンタイル:15.93(Geochemistry & Geophysics)バッチ実験で測定したCsの分配係数に及ぼす土壌量と水溶液量との比(固/液比)の影響を海岸砂質土壌、カオリン及び石英砂の3種類の土壌について調べた。3種類の土壌についてのCsの分配係数は、固/液比が増大するに従って減少した。このとき、土壌から水溶液に溶出した陽イオンの濃度は、固/液比にともなって変化した。しかしながら、共存する陽イオンの濃度を10mol/lと一定に保った場合、Csの分配係数は固/液比の影響を受けなかった。これらの結果は、固/液比はCsの分配係数に直接的な影響を及ぼさないが、固/液比に基づく土壌からの溶出陽イオン濃度の変化が分配係数の変化を生じさせたことを示した。